学会終了の御挨拶
平成22年10月10日
皆様のご協力のお蔭をもちまして2日間にわたる第37回日本肩関節学会を無事に終えることができました。
今回は肩関節学会と肩の運動機能研究会合わせて1,200名の御参加をいただきました。
主題Iとして取り上げた『肩の基礎研究』では,仙台国際センターの大ホールを会場としました。多くの方々の参加により、大変熱心な討議がなされました。主題II『肩の変形性関節症』では,多くの症例が呈示され,今まであまり光の当たらなかったCharcot jointなど新たな経験も示されました。シンポジウムの『腱板断裂の長期観察』『肩関節拘縮』は,それぞれ症例や実験結果を持ち寄り,基礎と臨床との両面から議論が展開されました。困難な長期観察のデータをおまとめいただいた演者の方々に感謝申し上げます。
世界で最も古い日本肩関節学会は,今や会員数が1,400を超えております。会期中にも約30名の入会者がありました。まことに嬉しい限りです。
学会制度は現行の幹事制度に代わる理事・評議員制度の新会則が役員会で承認されました。同時にそのタイムスケジュールも承認されました。順調に推移すると,ホームページでの公開,会員からのパブリックコメントを経て,来年の総会で承認されて新制度が発足します。そして,評議員が新たに30名ほど正会員から選ばれることになります。
また事務局については永年お世話を頂いた福岡大学に代わり,群馬大学が担当することが総会で承認されました。
今回お招きして素晴らしい講演をしていただいた英国Oxford 大学,Nuffield Orthopaedic CentreのAndrew Carr教授,韓国Madi HospitalのSeung-Ho Kim先生はいずれも50歳前後の比較的若い世代の方々です。ヨーロッパが政治のみならず,学術研究の面でも大きくまとまろうとしており,アジアが活発な経済活動を反映して肩の世界でもその研究実績を急速に伸ばしてきている中で,日本肩関節学会が再び輝きを取り戻すためには新たに評議員になられる先生方を含めて,会員一人ひとりが努力することが求められています。
今後新たな道筋に従い,本学会が益々発展するよう切に願いながら、第37回日本肩関節学会と1年間務めさせていただいた日本肩関節学会会長の役割を終えたいと思います。
御協力いただいた皆様,本当に有難うございました。
熊谷 純
第37回日本肩関節学会会長
公立大学法人山形県立保健医療大学